COBOL技術者のニーズはなくなるのか?SEのキャリアを考える

COBOLプログラマーは絶滅危惧種なのか?

 

一昔前に流行った言葉として、オープン化というものがある。独自の規格を持つホストコンピュータ(メインフレーム)で稼動していたシステムを標準的な規格に基づいて構築するというものだ。多くのホストコンピュータは専用の言語で稼動しており、そのアプリケーションはCOBOLやJP1、PL/Iなど古くから実績のある言語で構築されている。

 

 

これらは良くも悪くも枯れた技術であり、これからIT業界を志す若者が敢えて取り組む価値は少ないように感じる。かつてCOBOLを読み書きできた技術者も次々と一線を退き、その絶対数は確実に減少している。この記事を書いている2017年8月現在では、金融系の基幹システムなどを中心としてメインフレーム時代からのレガシー資産は現役で活躍している。

 

 

しかし、クラウド全盛のいま、これらのレガシー資産はいずれ置き換えられ、市場が縮小の方向に向かうことは明らかである。そして、それに伴いCOBOL技術者が絶滅危惧種となる日も遠くはないのではないだろうか。

 

 

かつて一世を風靡したVHSがDVDの登場とともに急速に置き換えられたように、変化の早いIT業界でもレガシー資産があるときを堺に急激に置き換えられるということは、あり得る話、と言うよりは寧ろ可能性の高い話となってきている。

COBOLが武器になる時代

そんな時代なので、これまで私は「技術者は常に新しい技術を身に付けるべき」という持論を信じてきた。しかし、先日ある若手SEをインタビューした際に、そのキャリア観に感銘を受けた。「技術者は常に新しい技術を身に付けるべき」と言う考えは変わらないが、自身の置かれた環境を、様々な角度からポジティブに捉え、最大限に活用することの重要性に改めて気付かされたのである。

 

 

その方は、新人時代にはJavaプログラマだったにもかかわらず、その後基幹システムの保守運用チームに異動となり、COBOLのシステムを保守することになった。Javaを学び、次にAngularJSなどのフロントの技術を学びたいと考えていた彼女は、最初は古い言語に戸惑ったり、自分のキャリアに不安を感じることもあったという。

 

 

しかし、その方はその後、これからの時代、自分と同じキャリアを歩む人は少なくなるため、逆にCOBOLの経験はチャンスだと考えるようになったという。確かに、COBOLエンジニアが少なくなると言うことは、経験豊富なライバルたちが引退してゆくということで、自分がその道で上位に入ることがしやすくなる

 

 

さらにその方としては、最新の技術とCOBOLの両方を知っている人は、ただCOBOLを知っている人よりももっと貴重だから、COBOLとJavaの両方を極めたい。(Javaは最新の技術というわけではないが)と仰っていた。まさに、自分の中で複数の軸を持つことで、付加価値を高める方法だと感じた。

 

 

一見、古くて価値のなさそうなことでも、全力で取り組み、自分の武器と呼べるまで磨き上げ、そしてそれを他の武器と組み合わせることにより唯一無二の存在になれるのではないだろうか。そのためには、自分の今置かれた環境に上手く適応し、そこからの学びを最大限に教授することが寛容である。COBOLの可能性を感じることが出来たインタビューだった。

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