新人SEの自己紹介術

自己紹介は一生使える技術

新人SEならずとも、新人であれば誰しも自己紹介をする機会があるだろう。しかし、自己紹介が苦手と言う人は意外と多いものである。

しかし、考えてみて欲しい。現場の業務で、新人SEであるあなたの話に、その場にいる全員が静かに耳を傾けてくれる機会がどれだけあるだろうか。恐らく少ないだろう。しかし、自己紹介の最初の数秒はどうだろう。きっと、どんなに口うるさい上司も耳を傾けてくれるはずだ。

自己紹介とは、あなたが自分をアピールし、新人SEとしてスタートダッシュを決めるための絶好のチャンスなのだ。そして、自己紹介は持って生まれた性格ではなく、技術によって良いものにすることができる。つまり、訓練することで誰でも良い自己紹介ができるようになるのである。

新人SEにはこれから先、幾度と無く自己紹介の機会があるだろう。最初に自己紹介の技術を体得することで、この先訪れる数々のチャンスをモノにし、その中でさらに技術を研鑽するという成功のループに入ることができるのだ。

自己紹介術を体得することの利点

自己紹介術を体得することには以下にあげるような利点がある。

印象面で得をする

当たり前の話であるが、自己紹介がうまくできることで、人に与える第一印象が良くなる。人の第一印象は覆しにくいといわれている。裏を返せば第一印象で良い印象を与えることは、最も効率的に自分の印象を高める手段なのだ。

スタートダッシュが出来る

SEの仕事はコミュニケーションが命だ。勿論、IT技術や知識も必須であるが、それ以上に多数の関係者を調整する力が求められるのである。そういった職業において新人SEがスタートダッシュを決めるためには、とにかく多くの機会と沢山の実地経験、つまり人とのコミュニケーションの機会が必要だ。

自己紹介で良い第一印象を感じてもらえることで、周囲から仕事をお願いされやすくなり、成長の機会を増やすことができる。

無論、第一印象だけの人にならぬよう内面を高める努力を怠ってはならない。しかし、第一印象が良くなければ、内面を披露する機会すら減ってしまう可能性があるのだ。

様々な場面で使える

自己紹介術は新人SEのみならず、様々な職業、様々な場面で活用することができる。また、新しい職場、新しいプロジェクトで新しい人間関係ができたときにも応用が可能だ。

自己紹介術を新人SEのうちに体得することで、今後のあらゆるシーンで応用し、上に上げたメリットを享受することができるのだ。そういった意味では、自己紹介術は非常にコストパフォーマンスの良いスキルだと言えるのではないだろうか。

自己紹介の方法

ここでは、良い自己紹介をするために注意すべきポイントを紹介する。

自己紹介のネタ

話すトピックをいくつか用意しておく

使えるトピックは事前にいくつか用意しておくと良いだろう。趣味の話であったり、仕事の話であったり、家族の話であったり内容は何でも良いが、場の雰囲気や持ち時間に合わせて使い分けられるよう、いくつか事前に考えておくと良いだろう。

できれば考えたトピックは内容を文字に起こして携帯のメモなどのいつでも使える場所にしまっておこう。一言一句を文字にする必要は無いが、キーワードや話の流れを並べて眺めることで、より良い表現が見つかったりしてネタが良いものになってゆく。

未来のネタや現在進行形のネタを前向きに話す

自己紹介では、あなたが現在進行形で取り組んでいることや、興味があること、力を入れたいと考えていることを話すと前向きな印象になってよいだろう。はまっている趣味なども、その後の人間関係を広げやすくてよいネタである。

特に思い浮かばない場合は、これからの仕事に感じている意気込みや、挑戦したいことを語るのも良いだろう。また、新人SEとしては不安もあるだろうが、言葉にする場合にはネガティブな表現で終わらず、必ず前向きな表現でフォローすることを心がけよう。

過去の実績を語る場合は失敗談を交える

過去の実績や経験などを話すことも時には必要だが、ただの自慢話になってしまわないように注意が必要だ。過去の実績を話す場合には、そこからどんな教訓を得て、何に活かしたいと考えているのか、などの前向きな変換をおこなったり、実績に加えて自分の失敗談を交えることにより親しみやすさを感じてもらうといった工夫が必要だ。

笑いに走り過ぎない

よく、突飛なネタを用意しなければと意気込んでしまう人がいるが、お笑い芸人を目指すわけではないので、そこまで内容にこだわる必要は無いだろう。話している内容でウケが取れればそれは素晴らしいが、ビジネスにおいては「突飛なネタで爆笑」よりも、「ありきたりなネタで無難に好印象」を与える方法を考えよう。なぜなら、新人SEはSEである前に一人の新人ビジネスパーソンであり、ビジネスパーソンは周囲からの信頼を得ることが重要だからだ。

自己紹介の構成

はじめと終わりを締める

自己紹介の内容は与えられた時間により様々だが、はじめと終わりを締めることで良い印象になる。慣れないうちは何を話そうかということで頭がいっぱいになってしまい、自己紹介のはじめと終わりをハキハキと喋れないことがあるだろう。

しかし、内容が上手く喋れなかったとしても、はじめと終わりの挨拶をハキハキと力強く、笑顔でできるだけで良い印象を与えることができる。

簡潔にまとめる

喋りたいことは簡潔にまとめて話そう。自己紹介の場は自分の全てを事細かに説明する場ではなく、あくまで今後の交流のキッカケ作りとして使うべきだ。

悲しいことだが、どんなに素晴らしいストーリーであっても、真剣に全てを聴いてくれている人は意外と少ない。時間が長くなればなおさらである。内容がどんなに良くて、スラスラと喋ることができても、与えられた時間を過ぎてしまえば「話の長い人」というレッテルを貼られてしまう

目安としては、1分・3分・5分でそれぞれ用意しておくと良い。多くの場では1分の自己紹介で事足りるだろう。1分の自己紹介というと短く感じるかもしれないが、1分あれば以下のような内容でも十分に喋ることができる。

「はじめまして!このたびプロジェクトに参画することになったNicolと申します。プロジェクトでは○○を担当します。最近はまっていることは、日本酒の利き酒で、週末は居酒屋めぐりをはじめました。プロジェクトを成功させて、皆さんとおいしい日本酒を飲みに行きたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!」

簡単な内容だが、ハキハキと喋ることができれば悪い印象はもたれない自己紹介だ。3分バージョンであれば、上記に加えて1つ、5分であれば2つほど、具体的なエピソードを加えて喋ればよいだろう。

自己紹介の表現

身なりを正して背筋をはる

清潔感のある服装と、良い姿勢を心がけよう。人間の印象の55%は喋りだす前に決まっている、と言うメラビアンの法則は有名だ。清潔感があってTPOをわきまえた身なりとを心がけよう。

相手の目を見て話す

話すときには相手の目を見て話すことを心がけよう。睨みつけるのではなく、自分を知ってください、という気持ちで自信を持って相手の目を見よう。

目を合わせるのが苦手な人は、相手の眉間を見つめるようにすると良いだろう。眉間を見つめられると、目を見られているように感じるのだ。

謙虚な態度で丁寧な言葉を使う

正しい言葉遣いと丁寧な表現を心がけよう。新人SEであれば周囲には目上の人が多いので自然と丁寧な表現になる場合も多いが、ビジネスパーソンたるもの初対面の相手に対しては最大限の敬意を持って接することを心がけよう

また、丁寧さを意識しすぎるあまり二重敬語になってしまう人がいるが、逆に信用できない印象を与えてしまうので注意しよう。

まとめ

自己紹介をする機会は若ければ若いほど多い。そのため、新人SEのうちに自己紹介術を身につけておけば、それだけ得をする機会も多いだろう。

SEの基本であるコミュニケーションの最初の一歩は自己紹介から始まる。効果的な自己紹介術を体得し、上手に人間関係を構築していこう。

問い合わせフォーム

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください