自分を知ることは人生を豊かにすることに繋がる
自己分析をすることは仕事をうまく進めるために非常に役に立つ。SEの仕事はチームワークが基本となるため、チームの一員として自分の強みはどういう部分で、弱みは何なのか。自分は何が出来て、何が出来ないのか、ということを把握することで、より効率的にプロジェクトを進めることが出来る。
さらには、自分の価値観を把握することで、仕事を通じて自分が何を得たいのかを考えることが出来る。また、仕事に限らず自分の人生を豊かにするために大切にすべきことを考えるきっかけにもなるだろう。
最強SEたるもの、スキルやナレッジを身に付けることも勿論だが、自分を知り、自分のビジョンを持って周囲に影響を与える存在を目指そう。
強みを知ることの利点
・少ない労力で高い成果をあげられる
自分の強みを知ることで得意分野に注力したり、強みを活かした働き方が出来るようになる。結果的に、少ない労力で高い成果を出すことが可能となる。
・ストレス無く仕事が出来る
仕事をうまく自分の得意な土俵に持ち込むことが出来れば、仕事をコントロールしやすくなる。結果的に、スムーズに仕事を進めることが出来るようになり、やらされ感が少なく、ストレス無く仕事を進めることが出来る。
・チームのパフォーマンスが高まる
チームで仕事を行う際に、自分の得意な領域に集中することで最大限にパフォーマンスを発揮することが出来る。また、チームメンバーと互いに苦手な領域を補い合い、得意な領域を活かしあうことで、チームワークの効果を最大限に高めることが出来る。そのための第一歩として、自分の強みを知ることが必要なのである。
自分の強みを知る方法
・「ジョハリの窓」を利用する
ジョハリの窓とは、自分の特徴を捉えるためのフレームワークで、自分を、「自分自身の目から見た自分」と「他人から見た自分」という軸で分析することで自己理解のズレを発見することが出来る。
ジョハリの窓では、自分の特徴を以下の4つの領域に分けて考える。
「開放の窓」 自分:知っている 他人:知っている
「盲点の窓」 自分:知らない 他人:知っている
「秘密の窓」 自分:知っている 他人:知らない
「未知の窓」 自分:知らない 他人:知らない
<ジョハリの窓の利用方法>
ジョハリの窓を利用するためには、複数人のグループで以下の手順で実施する。
1.まず、グループ全員で人の強み、弱み、性格として現れる特徴を列挙する。例えば、以下のようなものである。
- リーダーシップがある
- 責任感がある
- ロジカル
- 数字に強い
- 大雑把
- 真面目
- 慎重
- 大胆
- ミスが多い
- アイデアが豊富
- 感情の波が激しい
- 怒りっぽい
- ネガティブ
- ポジティブ
他にも色々、あるだろうが思いつく限りあげていこう。
2.自分からみた自分自身の強み、弱み、特徴(性格)を先ほどあげた中から選択する。
3.集まった他者の性格だと思うものを先ほどあげた中から選択する。(自分の性格だと思ったものと重複していてもかまわない。)
4.上記を参加者全員分で行った後、それぞれの記載内容を交換する。
5.自分と他者が書いた紙の内容をもとに、特徴を以下のように分類する。
自分が書いた内容と他者が書いた内容で重複するもの:「開放の窓」
自分だけが書いたもの:「秘密の窓」
他者だけが書いたもの:「盲点の窓」
だれも書かなかったもの:「未知の窓」
<ジョハリの窓のグループワークを実践する際のポイント>
- 一人ではなく、複数のメンバーに話を聞く
- 様々な関係性の人に聞く
- 意見を真摯に受け止める
- 相手をあらわす単語は、遠慮せずに記載する
⇒他者に向けた紙の記載は匿名で実施することも有効
ジョハリの窓を使うことで、「盲点の窓」から自分では見つけることが出来なかった自分の強みを認識することが出来る。
さらに、このフレームワークにおける「開放の窓」とは即ち、自分の特徴を自他共に認識している部分であり、この領域が広がることでコミュニケーションが円滑化し、チームワークが高まる。
「開放の窓」を広げるためには、「盲点の窓」にある部分の他人の意見を聞き、受け止めること、さらに「秘密の窓」にある部分の自分しか知らなかった自分の強みを他者に開示することが必要だ。そうすることにより、自他共に特徴を認識している部分が広がり、自分の強みをチーム内で活かしやすくなるのだ。
・診断テストを受験する
自分の強みとなる資質を、客観的に診断するツールとして、診断テストを用いる方法がある。
「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう あなたの5つの強みを見出し、活かす」
という書籍で紹介されているStrengthsFinder(ストレングスファインダー)は、自分の強み(Strength)を診断テストによって明らかにすることが出来る。
ストレングスファインダーの面白い点は、自身の強みとなる資質は生まれつき備わっているものであり、資質に気付き、それを活用することで、自分の能力を最大限に発揮することができる、という考え方である。
資質に応じた得意な領域や苦手な領域、その資質の活かし方についても解説があり、自分の強みを認識するだけでなく、それをどんな場面で活かせばよいかという事を考えることにも役立つツールである。
診断テストの受験には書籍を購入した際に付随するコードが必要であるため、書籍代がかかるが、それほど高額ではない(2,000円程度)ため、ぜひ一度試してみて欲しい。なお、コードは一度使用すると再利用できないため、中古本を購入する際には注意して確認しよう。
まとめ
「自分の強みは何か」と問われて、多様な観点から的確に回答できる人は、意外と少ないのではないだろうか。自分の強みは、一度見つけて終わりではなく、周囲の環境の変化や、自分自身の変化に伴って変化していったり、発展させていくものである。
SEは、常に同じ仕事を続けることは無く、様々なプロジェクトに参画し様々なメンバー、様々な要件、様々な技術の中で仕事をしていくことになる。そうした多用な環境において、強みを活かした働き方をし続けるため、定期的に自己分析を行い、自身の強みを考える時間をもつことが重要だ。
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