日本人は質問タイムが苦手と言われている。確かに、講演会などでプレゼンテーションが終わった後に、「ご質問がある方は?」と聴かれて静まってしまい、司会者が困るという光景は様々な場面で目にする機会がある。
日本人は自分の意見を表現したり、質問をしたり、議論をすることに慣れていないので、こうした機会があっても他人の目が気になって様子見をしてしまうという部分があるのかもしれない。
本稿では、講演会などで訪れる質問タイムに強くなり、自分にとっての学びを大きくするためのコツについて考えてみたい。
質問できない理由
質問力を上げることを考える前に、何故、大勢の前で質問することが出来ないのか理由を考えてみたい。ただ一つの理由ではなく、複合的な原因である可能性もあるが、考えられるものをあげてみたい。
・聞きたい質問がない
講演の内容を隅々まで理解できたので、質問したいことは特にない場合。本当にくだらない話だったというケースもなきにしもあらずだが、質問が思い浮かばないのは自分自身の考えが深まっておらず、表層的な理解しか出来ていないことも原因かもしれない。
・他人の目が気になる
よい質問(高度な質問)が思い浮かばないため、「他の聴衆から馬鹿なやつだと思われたくない」という想いで口をつぐんでしまうケース。同じ時間を使うのであれば、例え馬鹿な質問だったとしても口に出して聞いたほうが自分にとっては得である。結果的に馬鹿な質問だった場合でも、それを学びにして次の機会に活かせばよいだけだからだ。馬鹿な質問であっても何も動かないと何も得ることは出来ないのだ。
・よく話を聞いていなかった
講演の内容をよく聞いていなかったため、質問が出来ないケース。講演者にとっても、自分にとっても時間の無駄になってしまうので、次回からそもそも参加を見送るべきだろう。
・聞きたい内容を上手く整理できない
「他人の目が気になる」ケースと似ているが、聞いてみたい質問があるにもかかわらず、上手く言葉に整理できずにしり込みしてしまうケース。結局は実践して経験を積むしかないため、まずは手を上げて質問してみよう。一つだけ意識することとしては、質問はシンプルに、かつ結論を先に言うということだ。
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質問をすることによるメリット
先にあげたハードルを乗り越えることで自分にとってどんなメリットがあるのか、考えてみよう。
・質問に対する回答が得られる
まず一番は、その道の経験者である講演者から、自分の質問に対する回答が得られることだ。同じ言葉でも、人の持つ背景と絡み合って大きな意味を持つこともある。そういった意味で、講演者の貴重な経験をもとにした回答が得られると言うことは、非常に大きなメリットだ。
・講演者との関係を作るきっかけになる
講演者と人脈を作りたいと考えている際には、相手に自分を覚えてもらうきっかけにもなる。だれしも、自分の講演を聴いて、積極的に質問してくれる相手に対して悪い印象は持たないので、講演者とお近づきになりたいときにはQAセッションでも積極的に質問するようにしよう。
・自分の考えが整理される
質問を言葉にすることで、自分自身の中で考えが整理されることになる。特に、わかったつもりになっていても、言葉にしてみると矛盾していたり、考えを上手く形に出来ていないことに気付く場合もある。
・度胸が身につく
大勢の人前で物怖じせず質問を行うことで、度胸が身につく。普段から質問の機会があれば積極的に発言し、経験を積もう。
・一目置かれる
皆が質問をしあぐねているところに、積極的に良い質問を行うことができれば、周囲の聴衆からも一目置かれる存在になるだろう。
注意して欲しいのが、周囲の目を気にしすぎると「上手く質問しなければ」というプレッシャーから積極性が失われてしまう。あくまで「質問タイムを有効に使って自分が経験値を得る」ことを意識していれば、自然と良い質問が出来るようになるだろう。
まとめ
質問タイムは、積極的に参加して質問することにより、その答えのみならず、様々なものが得られる。講演会などの場では、周囲にどう思われるかということより、自分を高めていくことのほうが重要である。
本稿を参考に、質問タイムには積極的に自分の言葉で参加するように務めて欲しい。
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