習慣作りこそ成長の王道
皆さんは「習慣にしていることは何ですか?」と問われて答えられるだろうか。
例えば、毎日、夜に湯船につかる人もいれば、毎朝のシャワーで済ませるという人もいるだろう。これも一つの習慣だ。習慣になっていることは、「負担を感じず」「続けられる」という特徴がある。毎朝浴びているシャワーは今後も基本的には毎日浴び続けるだろうし、そのことに心理的負担を感じる人は少ないだろう。
仕事に置き換えてみるとどうだろうか。仕事でも同様に習慣となっていることがあるはずだ。例えば、毎朝メールをチェックし必要なものを返信する、といったものだ。この習慣を持っている人にとって、重要なメールの到着を何日も見過ごすリスクは低いだろう。
また、例えばお昼休みに日経新聞を読む習慣がある人とスマホゲームに興じる人の間で、どちらがビジネスにおける情報量が多くなってゆくのかということは明らかである。
無論、スマホゲームでリラックスすることを否定するわけではないが、こうした少しの積み重ねであっても、習慣化し時間を味方につけることで、将来的に大きな成果を出すことが出来るのである。新人SE時代に作った良い習慣は、数年のときを経て大きな実を結ぶのである。
些細なことからでかまわないので、良い習慣を作ることで知らず知らずの成長を手に入れよう。
例えばどんな習慣を作るべきなのか
習慣とは言ってみれば考え方や価値観のようなものに根付いており、その種類は多岐にわたる。ここでは皆さんが自分にとっての良い習慣を見つけるため、いくつかの観点を具体例をあげて紹介したい。
○時間の使い方
・将来に向けた準備をする習慣
例えば将来、海外で働きたいのであれば英語を学習する時間をスケジュールに組み込んでいるだろうか。時間が有り余っている社会人というのは稀なので、いつか時間ができたらやろうと考えていても、その”いつか”は訪れないまま時間が過ぎていることが多い。まずは10分でも5分でも良いので、時間を確保して習慣化することが大切だ。
・ルーティンワークをこなす時間を決める
もともと決まった時間に実施する仕事に対しては使えないが、ルーティンワークは実行する時間を決めて習慣化することで生産性も高まり、漏れも少なくなる。例えば、先にあげたメールチェックを例にすると、暇なときになんとなくチェックするよりは、時間を決めて集中的に処理したほうが生産性は高まるだろう。
○SEとしての考え方
・手間を省くことを考えているか
システムやITを活用することで合理的に手間を省くことができないか、広い視野を持って考える習慣を作ろう。
・再利用を考えているか
ソフトウェア資源は再利用性の高さが特徴である。SEとして質の高い仕事をするためには、常に再利用することを考慮した設計をすることが重要だ。
・技術を追いかけているか
IT業界は非常に変化のスピードが早く、身につけた知識や技術も時間とともに陳腐化してしまう。SEとして価値を高め続けるためには、最新の情報を常にキャッチアップし続けるための習慣作りが必要だ。
○人間関係における習慣
・挨拶
当たり前のことと思われるかもしれないが、挨拶はすべての基本であり真っ先に身に着けなければならない習慣である。朝出社した際に明るく挨拶が出来る人はそれだけで良い印象を与える。そういった振る舞いが自然と出来るようになれば、今後いつまでもその習慣の恩恵を受け続けることが出来るだろう。
・受容性
他者の価値観や意見に対して批判的な人と、好奇心を持って人の話しを聞き、自分と違う価値観を受け入れることができる人では同じ情報を受け取ってもそこから得られる知見には雲泥の差が出る。自分の意見を持つことは重要だか、他者の価値観や考え方を理解しようと努めることを習慣化しよう。
習慣作りのコツ
・厳しすぎるタイムスケジュールにしない
自分に厳しすぎるスケジュールで習慣化しようとしても、大抵の場合はうまくいかない。プライベートでもシャワーを浴びる時間や寝る時間がおおよそ決まっているという人は多いが、1分単位で厳密に決めて必ず実行しているという人は少ないだろう。ゆるく小さくスタートして、軌道に乗ってきてから徐々に厳しくしていくという進め方で十分だ。
・記録して変化を振り返る
完全に習慣化するまでは自分のモチベーションを保つ意味でも記録をつけると良いだろう。毎日15分でも1年間毎日続けられたとしたら合計は5,475分、実に90時間以上にもなる。これも、記録をつけて可視化しなければ、「毎日少しだけやっている」という感覚だが、記録をつけることで大きな自信とモチベーションにつながる。また、記録を振り返りつつ、現在の自分と習慣化を始めたころの自分を比較してみれば何らかの変化が起こっているはずだ。こうした小さな変化を感じて、自分が良い方向へ変わっていることをモチベーションとして行動を続けよう。
・仲間を作る
一緒に習慣を続ける仲間がいると、お互いに刺激しあって良いだろう。一人だとつい、怠けてしまうことでも仲間と近況を共有することで、互いに励ましあったり、仲間がやっているのだからと一種の強制力が働き気分が乗らないときにも続けることが出来る。
・”やめる” 習慣も考える
習慣作りというと新しく始めることばかりに目がいきがちだが、これまでしていたことを”やめる”というのも、良い習慣を作ることには欠かせない。夜に飲むお酒の量を少し減らしてみる、タバコの量を少し減らしてみる。こうした”やめる”習慣によっても、自分の将来を良い方向に導くことが可能だ。
まとめ
新人SEとして会社に入社したならば、その先には長い社会人人生が待っている。一気に変わろうとすると大変なことも、少しずつ変化していくことで達成できる。
そのためにも、時間を味方につけ、少しずつ自分の習慣を良いものにしていくことで、長い目で見ると大きな目標を達成することが出来るだろう。
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