新人SEのホウレンソウ

SEにも重要なホウレンソウ

社会人1年生が身につけるべきスキルの1つに「ホウレンソウ」というものがある。報告、連絡、相談の頭文字をとったもので、上司や同僚とのコミュニケーションの基本動作を示したものだ。

 

SEという仕事においてもホウレンソウは大切である。本稿では、なぜホウレンソウが大事なのか、どのようにホウレンソウするべきなのかということを考えてみたい。

なぜホウレンソウが大事なのか

ホウレンソウをうまく行うためのポイントを考える前に、ホウレンソウがなぜ大事なのかということを考えてみよう。

 

報告の重要性

 

 報告が適切に行われていると

[自分からみて]

  • 仕事の進め方に認識相違がないか上司の確認を得ながら進められる。
  • 上司が状況をしっているので不測の事態のフォローが期待できる。
  • 上司から信頼され、評価が高まる。

 [上司からみて]

  • 部下の仕事の進め方が正しいかチェックできる。
  • 状況を把握することが出来るため、不測の事態に対応できる。

 

 報告が適切に行われていないと

[自分からみて]

  • 仕事が進んでから認識相違が発覚し、手戻りが大きくなる。
  • 上司が状況を知らないので不測の事態でフォローしてもらえない。
  • 上司からの信頼を失っていく。

[上司からみて]

  • 部下の仕事を自分からチェックしに行かねばならず、時間をとられる
  • 状況を把握することが出来ないため、不測の事態に対応できない。

 

連絡の重要性

 連絡が適切に行われていると

[自分からみて]

  • 周囲との認識相違による手戻りを事前に防ぐことが可能
  • 周囲を自分の仕事に巻き込み、協力してもらうことが可能

[周囲からみて]

  • あなたとの認識相違による手戻りを事前に防ぐことが可能
  • あなたの仕事の状況が分かるので互いに協力することが可能

 連絡が適切に行われていないと

[自分からみて]

  • 周囲との認識相違が発生し、手戻りが発生する
  • 周囲が自分の状況をしらないため、協力してもらうことが難しい

[周囲からみて]

  • あなたとの認識相違が発生し、手戻りが発生する
  • あなたの仕事の状況が分かるので互いに協力することが可能

 

相談の重要性

 相談が適切に行われていると

 [自分からみて]

  • 周囲の意見を取り込み仕事の質を上げることができる
  • 判断が難しいポイントで事前に周囲の了解を得ておくことができる
  • 困ったときに周囲から手伝ってもらえる

[周囲からみて]

  • あなたの仕事にアドバイスを与えチームの仕事の質を上げることができる
  • 判断が難しいポイントで事前に内容を確認しておくことでチームとしての生産性を上げることができる

 相談が適切に行われていないと

[自分からみて]

  • 周囲の意見を取り込めないので、仕事の質があがらない
  • 判断が難しいポイントで周囲から了解が得られにくい
  • 困ったときに周囲から手伝ってもらいにくい

[周囲からみて]

  • あなたの仕事にアドバイスを与える機会がないので、チームの仕事の質が上がらない
  • 判断が難しいポイントで事前に内容を確認しておけないので、チームとしての生産性が上がらない

 

ホウレンソウのポイント

 

<報告のポイント>

 

・事実と推測を分けて報告する
客観的な事実と、あなたの所感は分けて報告しよう。また、上司によっては事実のみの報告を求める場合もあるが、あなたが事実に基づいた判断や推測を行った場合はそれが所感であることを明示した上で報告しよう。

 

・上司が把握しやすい粒度で報告する
上司は部下よりも高い視点で広い範囲を見ているため、あまりに細かすぎる報告は上司の時間を奪うことになってします。報告の粒度は上司の視点に立って理解しやすい粒度とすることを意識しよう。

 

・緊急度と重要度によって報告タイミングを変える
報告のタイミングは、報告内容の重要度や緊急度により柔軟に変更する必要がある。重要な内容や緊急の内容は、とにかくまずは報告しよう。また、悪いニュースも早く奉公するということは意識すべきだろう。悪い内容の報告に抵抗のある人もいると思うが、上司からすると悪い内容こそ早く聞きたい内容なのである。

 

 

<連絡のポイント>

・何をして欲しいかを明確に
連絡に依頼事項が含まれているのであれば、依頼事項が何なのか、明確に記載しよう。5W1Hを意識して、いつまでに何をすればよいのかを確実に伝達しよう。

 

・事実と推測を分けて報告する
報告のポイントと同様だが、事実と推測や意見はそれと分かるよう記載しよう。

 

・連絡する範囲が広くなりすぎないように注意する
連絡事項は、とにかく連絡だといって人をCCに入れまくる人がいるが、無駄な情報を周囲に与えることは相手の時間を奪うことにも繋がるため、連絡する範囲は過不足なく選ぼう。

 

・早めに概要を連絡し、直前にリマインドを送る
例えば飲み会の連絡などであれば、日時と大まかな場所が決まった段階で早めに連絡し、直前に詳細な情報を連絡するようにしよう。また、相手に依頼事項がある場合は期限が近くなったらリマインドするなど、相手の立場に立った連絡を心がけよう。
 

<相談のポイント>

・相談に来た背景を伝える
なぜ、相談にきたのかという背景を相手に伝えることで、相手に何を期待しているかということが伝わり、より効果的な相談となる。

 

・判断を仰ぎたいポイントを明確にしておく
相談に行く際には事前に、その相談で何を決めたいか、相手に何をしてほしいのか、ということを明確にしておこう。相談は受ける相手の時間を拘束するので、相手の負担を最大限に少なくする工夫をしよう。

 

・自分の意見を整理しておく
相談に行く際には、何かに悩んでいたり、困っていることが多いだろう。しかしそういった場合でも、自分はどう考えているのか、ということは整理しておくとよいだろう。

 

・整理しきれない思いや感情があれば、それも共有する
事前に自分の考えや意見をまとめておくほうがよいが、もしまとめ切れない思いや不安なこと、気になることがあれば共有しよう。相手に頼ってばかりではいけないが、自己開示は関係性を作り、相談を有意義なものにするために有効だ。

 

まとめ

ホウレンソウは、コミュニケーションの基本であるが、基本だからこそ使いこなすことが出来れば強力な武器になる。

 

また、ホウレンソウがしっかりできる人は、周囲からの信頼を積み重ねていくことができる。新人のうちから身につけておけば、自然と社内で信頼に足る人物と評されるようになることができるだろう。

 

上手なホウレンソウを身につけて、他の新人を一歩リードしよう。

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