AIによる世界の変化は避けられない事実
コンピュータ技術が、今のペースで発達し続けると2045年が、AIが人類の知能を超える地点「シンギュラリティ」であるといわれている。
2045年を待たずして、Google,IBMをはじめとしたIT企業はAIの商用利用を開始しており、AIにより既存の仕事のあり方が変化しつつある。
巷では今後、AIに取って代わられてなくなる職業は何か、ということが論じられているが、AIにより影響を受ける可能性がない職業は無いといっても過言ではなく、SEの仕事に関しても言わずもがな、この変化から逃れることはできない。
AIによって変わる世界にどう対応するか
こうした変化の流れの中で、漫然と今の仕事を続けているだけではAIにより仕事が奪われてしまうことは必然だ。彼らは疲れを知らず、ケアレスミスも起こさない。
では、私たちSEはどのようにしてこの変化に適応してゆけばよいのだろうか。
・AIを利用する立場に立つ
SEの仕事はシステムに携わる職業であることからも、AIを活用し世界の変化をリードする存在になっていくという選択肢がとりやすい。
いま提供しているサービスがAIによってどう変化するかということを考えるといったシステム屋的な視点だけでなく、今後は、より顧客のビジネス寄りの視点を持つことを意識しよう。AIを使った業務改革を、システムソリューションと合わせて提案することができるSEはこれからの時代でも大きな価値を出すことができる。
・コミュニケーション力を磨く
AIが苦手な領域として人間の感情の機微を読んだ適切な立ち振る舞いがあげられる。逆に、感情的な部分が一切必要ない処理、例えば大量のデータを基に、値を算出するといった処理は人間がAIに太刀打ちするのは難しい。AIと張り合うのではなく、互いの苦手な部分を補完しあう形でAIを活用できる能力を身に付けよう。
SEの仕事では、ステークホルダーの調整が肝要である。それぞれの胸のうちの思惑を読み取り、調整するという人間的な能力はAIには代替しにくい部分であり今後、我々SEの価値の源泉となりうるスキルだろう。
・変化に敏感になる
AIに限った話ではないが、この非常に変化が激しい時代において、常に新しい情報をInputし続け、変化に敏感であろう。一つのやり方に固執していると、あるとき新しいやり方に丸ごと取って代わられてしまうリスクが高まる。新しい物事に興味を持ち、変化を続けよう。
例えばAIについていえば、現在の業務でAIを利用する機会なんてないよ、という人であっても、GoogleのAPIなどを利用すれば個人でも簡単にAIを利用することが可能だ。こうした新しい技術、新しいやり方に触れ続けて、自分をアップデートしていこう。
・特徴を持ったゼネラリストを目指す
一つの物事を極めることは大変価値の高いことである。どんな技能であっても、極めればオンリーワンの価値が生まれる。
しかし、オンリーワンの価値を生むためには、別の方法もある。複数の技能を組み合わせることでオンリーワンの自分を構成することである。即ち、特徴を持ったゼネラリストになるということである。そのためには、自分の軸となるスキルを複数持っておくといい。また、持つ軸は、一見して関連性の低いもの同士であるほど、うまく組み合わせられた際に価値が高まる。
例えば、
①IT技術×金融
②IT技術×農業
という2つのスキルセットを見比べると、どちらが持っている人の数が多いだろうか?恐らくだが、①だろう。これまでは①のスキルセットを持った人間の需要が②と比較して高かった。しかし、今後オンリーワンの人材を目指す場合には、一見、関連性の低そうな②のスキルセットのほうが貴重だといえる。自分のスキルセットをどのように活用するかということを見つけられたとき、AIにも負けない価値を発揮することができる。
そして、自分の幅を広く持っておくことで、ある領域がAIに取って代わられたとしても他の領域でカバーすることができる可能性が高まる。
まとめ
AIによって多くの仕事の有り方が変化するといわれている。それらは紛れも無い事実であり、SEの仕事もその潮流から逃れることはできない。
最強SEのあり方もAIと共に変化していく必要があり、今後はSEの仕事でも益々、多様性を認め、新しいものを取り込む対応力が求められることになるだろう。
SEの仕事はシステムを扱うという意味でAIに近い位置にある。これからやってくるAIの波に乗り遅れぬよう、情報の感度を高めておこう。
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