昨今のIT業界は急激な変化が訪れている。AIやビッグデータといったキーワードは、IT業界で働く人以外にとっても、もはや身近な言葉と言えるのではないだろうか。
本稿では、そうした時代の変化に伴い、私達SEはどう変化していく必要があるのかということを考えてみたい。
業務効率化だけの提案は徐々に価値が下がってくる
一昔前までは、ITは主に業務効率化と、それに伴うコストダウンを目的として活用されてきた。しかし、昨今ではそうした需要は落ち着き、業務効率化のみの提案では顧客に刺さりにくくなってきている。
こうした状況は、AIの台頭や、デファクトスタンダードとなるサービスの登場と浸透が背景に存在している。業務効率化に対するIT活用が浸透するに伴って、私達SEに求められるものも変化してきているのだ。
これからのSEには攻めのITを提案できる力が不可欠
では、これからのSEはこうした状況下でどう変わっていかなければならないのだろうか?
その一つの答えは、IT活用によって顧客の成長戦略へ先進性や創造性を与え、新たな利益を生み出す提案ができるようになることだ。AIやIoT、FinTechといったキーワードには各業界が大きな関心を示しており、探り探りではあるが投資の門戸を開き始めている。
私達ができることは、そうした顧客を導き、供に新たな技術を活用し顧客の新たな業務領域を切り開くことなのである。それには従来SEに重視されてきた、顧客の要件を引き出すことだけでなく、顧客の業界の未来を顧客と供に考えることが必要だ。
そして、それこそが私達SEがこれからの時代に生き残っていくために必要なことなのである。
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新時代に適用するために必要な3つの変化
1.Plan重視からDo重視へ
これまでのSEには、顧客の業務をよく理解し、綿密な計画を立ててそれをミス無くマネジメントすることが求められてきた。これからの時代は、どれだけ綿密な計画を立てたとしても、急激な変化により前提が覆されることが多くなる。
そうした状況下では、「Plan」もそこそこに、「Do」すなわち実行を重視するスタイルに変化する必要がある。そこでは、プロトタイピングやアジャイル開発など、ユーザを早期から巻き込んで一緒に開発を進めていくというスタイルが有効である。
これからの時代、走り出す前にじっくり考えていては、走り出す方向が定まる頃には乗り遅れてしまうし、方向もめまぐるしく変化してしまう。走りながら方向転換していくことが必要なのである。
2.重厚長大な開発から小回りの効く開発へ
今後は、これまで求められてきた大規模開発の需要は徐々に低下し、反対に小規模な開発案件やサービス/パッケージの導入支援など、「有りモノ」を組み合わせてどのように活用するかという案件が増加してくるだろう。
これから私達SEには、そうした小規模な案件を並行して素早く進めていく力と、「有りモノ」を組み合わせて効率的に目的を達成する力が重視されてくるだろう。
3.テキスト重視ではなくUXとビジュアライズを意識する
顧客を巻き込み、走りながら方向転換をしていくためには、難解な仕様書ではなく直感的にサービスの価値を評価できるインターーフェースが必要となる。
すなわち、UX(User Experience)を意識すると言うことである。そのためには、膨大なテキストに仕様をまとめることよりも、簡単でもサービスがビジュアルでわかるようなプロトタイプが有効であることは言うまでもないだろう。
まとめ
- 従来の業務効率化型の提案は徐々に価値が下がってくる
- 顧客の攻めの成長戦略にITを提案できるようになることが必要
- 新しい時代に適応するためには3つの変化が重要
- Plan重視 → Do重視
- 重厚長大な開発 → 小回りが利く開発
- テキスト重視 → ビジュアル重視
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