システムトラブル対応は避けては通れない
システムトラブル対応は、システム運用に携わるSEであれば欠かせないスキルの一つだ。
予期せぬシステムトラブルが発生し、顧客からは問い合わせの連絡が殺到。
先輩たちが慌しく動き、切迫した雰囲気の中で怒号が飛び交う。
そんな状況を前にして、新人SEはただただ圧倒されてしまう場合も多いだろう。
しかし、トラブル時に経験が浅いながらにも適切な動きができれば先輩SEたちからも一目おかれる存在になることは間違いない。
本稿では、経験の浅い新人SEがトラブル時に価値を発揮するための心構えを考えてみたい。
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新人SEがシステムトラブル時にすべきこと
システムに対する知識も経験も浅い新人SEであっても、トラブル対応の正しい考え方を持っていればしっかりとチームに貢献することが可能だ。ここでは、対象システムに対する経験・知識の多寡にかかわらず汎用的に使える「考え方」を紹介したい。
1.「事実」を正しく報告する
システムトラブルは気紛れでおきるわけではなく、
(タイミングに起因するものはあれど)そこには必ず因果関係が存在する。
そうした因果関係を明らかにしていくため、そしてシステムトラブル影響範囲を特定するためにも「事実」を正しく報告することが非常に重要だ。
そんなの当たり前、と思うかもしれないが、
実際の現場では事実と推測を混合しているSEが実に多く、
トラブル時に更なる混乱や最悪の場合には二次災害を引き起こす元凶となっている。
推測や意見を持つことは大切だが、それは知識や経験に裏づけされたものである必要がある。自分がどちらも未熟な状態にあるならば、まずは「事実」を集めて周囲の力を引き出せる状態を作ることに貢献したほうが良いだろう。
トラブル時に重要な「事実」の例としては以下のようなものが挙げられる。
- エラーの発生時刻
- ログに出力されている内容
- 調査した箇所、していない箇所
- 関係各所への連絡状況
- 問い合わせの受領状況
こうした情報は、新人SEが見ても、熟練のSEが見ても同一の事実であり、
すべての議論の出発点になる重要な情報だ。
2.周囲に助けを求める
システムトラブルの第一発見者が自分だった場合は、とにかく周囲を巻き込み素早く情報を展開しよう。その際に遠慮は無用だ。上司や先輩が忙しいか、そうでないかを見極めて声をかけるのは平時だけでよい。
遠慮は無用とはいえ、レポートライン(予め決められた、連絡体制)を無視した報告を行わないことに気をつけよう。緊急のときこそレポートラインを意識した情報展開を心がけよう。そのためには、常日頃からトラブル時に自分は誰に報告すべきかということを確認しておくことが必要だ。
3.自分にできること、すべきことを考える
有事の際には、チーム一丸となって対応に当たることが必要だ。
システムに対する経験や知識が浅い新人SEにも、チームに貢献できることは沢山ある。
たとえば、情報の整理と見える化は重要かつコツさえつかめば経験の浅い現場でも利用可能な汎用的なスキルだ。
具体的には、トラブル時に実際に調査を行ったり、対応を行う人間とは別に以下のような作業をする人間がいると現場がスムーズに回る。
- ホワイトボードやグループウェアなどに最新の状況を更新する
- 発生した課題や問題点を一覧にまとめる
- 上記の内容を定期的に関係者に展開し情報共有を行う
くどいようだが、上記の作業を行う際には「事実」を意識することが重要だ。
まとめ
システムトラブルは発生しないことが一番だが、バグが全くないシステムは存在しなく、絶対にトラブルが発生しないシステムを構築することは困難だ。
修羅場を乗り越えてこそ人は育つ。トラブルが避けて通れないものであるならば、トラブル時にこそ成長の機会があると捉え、自分にできることで積極的に貢献しよう。
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