最強SEのコミュニケーションツール(前編)

 

シーンに応じてツールを使いこなそう

皆さんは「コミュニケーションツール」と聞いて、どんなものを想像するだろうか。最強SEを目指す情報リテラシーの高い人ならば、最新のグループウェアなどが頭に浮かんだ人も多いのではないだろうか。

 

だが実は、私たちは普段から、特別なツールを使わずとも数多くのコミュニケーションを無意識に様々な方法(ツール)で行っている。例えば、LINEで友人と飲み会の計画を立て、当日店の近くまで来たが場所がわからないので、電話した。入り口がわかりづらい場所だったので、友人が気を利かせて店の外まで出てきてくれた。おかげでスムーズに合流できた。

 

この例だけでも3つのツールを無意識に使い分けていることがわかる。本稿では、コミュニケーションツールを情報伝達の手段と定義し、有効に使いこなす方法を考察したい。

 

コミュニケーションツールの種類と特徴

ここでは、個別具体的なツールではなく一般的によく利用されているコミュニケーションツールについて、その特徴を以下の軸で比較する。

 

<考察の軸>

コミュニケーションコスト

コミュニケーションツールを使用する際に必要な時間をコストとし、コストが多いか少ないかを軸とする。情報の発信者がツールを使用するのに準備する時間であったり、受け取る側が情報を受け取るための時間を表す。

★☆☆☆☆~★★★★★で表現し、星が多いほどコストが少ない=良いツールであると言える。この項目についてはコミュニケーションを仕掛ける側(自分)、仕掛けられる側(相手)にかかる負担をそれぞれで評価する。

 

コミュニケーションの質
コミュニケーションにより相手に伝達する情報の正確さ、リアルタイム性、量を比較する。

★☆☆☆☆~★★★★★で表現し、星が多いほど質が高い=良いツールであると言える。

 


 

 

1.対面での会話

コミュニケーションコスト

自分の負担 ★★★★★
相手の負担 ★★☆☆☆

 

コミュニケーションの質 ★★★★☆

 

特徴
・気軽に話しかけられる
・ノンバーバル(非言語的)コミュニケーションを最大限に活用できる

 

有効な場面

・個人的な相談事など繊細な話題、根回し

・ちょっとした質問

・リアルタイム性の必要な確認

 

注意点

 相手の時間を奪うということを自覚すること。対面での会話は、声をかける側からすれば最も手軽なコミュニケーションの手段で、普段から多く使われる方法だろう。しかし、もともと予定を調整してもらっていた場合を除き、対面での会話は相手の時間を拘束する。このことに気がつかず、自分で要点の整理をきちんとしないまま話しかけると、相手の貴重な時間を無駄に奪ってしまうことになるので、その点は注意しよう。

 

対面での会話の特徴はなんといっても顔の表情、顔色、視線、身振り、手振りなどのノンバーバルコミュニケーションを活用できる点だ。メールを何度もやり取りするよりも一度、対面で直接会話することで距離が縮まる、という感覚は誰しも感じたことがあるだろう。

 

しかし、裏を返すと、相手の“機嫌”や”場の雰囲気”の影響を最も受けやすいコミュニケーション手段といえる。対面での会話の際には言葉で発する内容以上に、そういった部分に注意を払う必要がある。

 

 

 

2.電話(TV電話)

コミュニケーションコスト
自分の負担:★★★★☆
相手の負担:★★★☆☆

 

コミュニケーションの質 ★★☆☆☆

 

特徴
・(関係性にもよるが)対面に次いで気軽に話しかけられる

・視覚的な情報がないため非言語コミュニケーションが取りづらい

 

有効な場面

・ちょっとした質問

・リアルタイム性が必要な確認

 

注意点

電話の利点は対面と同様、リアルタイムに状況を共有し、適宜判断を下していくという場合には有効だ。しかし、この場合も行き当たりばったりで何でも電話してしまうと相手の時間を奪うことになる事前に大枠の内容が共有された上での電話確認であれば、コミュニケーションがスムーズに運ぶだろう。丁度、軍隊が作戦中にトランシーバーでやり取りするようなイメージだ。

 

また、複雑な情報を口頭だけで説明しようとすると認識相違がおきやすい。対面の場合はホワイトボードなどを使って認識を共有することができるが。電話口ではそれもできないため、互いが違うものをイメージしたまま先に進んでいくことがないように注意が必要だ。

 

まとめ

前編ではコミュニケーションツールの定義を行い、代表的なコミュニケーションツールとして、口頭でのコミュニケーションの特徴と注意点を考察した。口頭でのコミュニケーションはメールなど文字に起こす場合に比べてコミュニケーションを仕掛ける側のハードルが低い

 

しかし、気軽にコミュニケーションができる一方で、相手は(無視するなど極端な例を除き)必ず何らかの反応をする必要があり、相手の時間ももらうことになる。その点には十分注意が必要だ。

 

後編ではいよいよ、メールやチャットといったソフトウェアの活用についても考えていきたい。

 

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