本記事ではRPA製品である、UIPath(ユーアイパス)の概要と他の製品との違いについて紹介します。
これまでRPA全般の特徴をみてきましたが、第4回である今回は、個別の製品についてみていきたいと思います。本記事では、導入費用が安く個人利用であれば無料で導入することが出来る(=小さく始められる)RPA製品として、UIPathをご紹介したいと思います。
UIpathとは
UIpathは2005年にルーマニアで設立されたAIを使ってRPAソリューションを提供する会社です。(UIPathは会社の名前でもあり、製品の名前でもあります)日本国内で900社、世界中で2500社以上の顧客を持つRPAのリーディングカンパニーといえる存在です。日本では大手SIerやコンサルファームなどがパートナーとなって企業への導入を進めています。
UiPathは、Windowsアプリケーション、WEBアプリケーション、Citrixアプリケーションの自動化に対応しています。また、内部のエンジンとしてVBを踏襲しており、VB.netのライブラリを内部で使用しています。そのため、外部APIの利用などVB.netでできることの殆どがUIPthを使って実現することができます。他のRPA製品と同様、ユーザの画面操作を記録することで、コードを自動生成する機能を備えています。
UIPathは個人であれば無料で使える
RPA製品は個人が利用するにも便利なツールですが、導入にあたってはライセンス費用がかかるため、小さく始めるには不便です。
しかし、UiPathには個人向けのコミュニティエディションというバージョンが有り、無料で使用することができます。しかも、管理サーバからの自動実行など の一部の機能を除いて、制約がない状態で利用することができます。
※UIPathのコミュニティエディションについての詳細は公式サイトを参照ください。
RPAは個人が日々のちょっとしたタスクを自動化することに大きな強みを持っているため、個人が無料で使えることは大きなアドバンテージですね。
UIpahtは公式の無料学習教材が豊富
UIPathは公式でWEB上で受講可能な無料のトレーニングコンテンツを提供しています。そのため、高額なセミナーに通わずとも自分である程度のプログラミングの知識がある人ならば、地力で学習してロボット作成を身につけることが可能です。
学習に必要な時間を例示すると、入門編のRPA Developer Foundation Training(基本トレーニング)は平均20~40時間の学習時間で修了することが可能です。FoundationではUIPathの構成など基本的な知識に加えて、ロボットの作り方についてかなり具体的な例を用いて学習します。
Nicolも受講しましたが、サンプルのロボットや「こういう場合はこのActivityを使う」といった具体的な説明が多く、一通り受講すればそれなりのロボットであれば自分で作れる位の実力が身につくはずです。
また、トレーニングコンテンツを修了すると修了証が発行されます。トレーニングコンテンツのうち、Level 1 FoundationとLevel 2 Orchestratorについては、無料で受講可能です。
UIPathのソフトウェア構成
UIPathは以下のような製品群で構成されています。
UIPath Studio
UIPathは複数の製品で構成されるRPAソリューションですが、個人で利用する場合には、UIPath StudioとAttended Robotだけを気にしていればよいので、難しく考える必要はありません。
UIPath Studio:ロボットを作るための道具
UIPath StudioはUIPathにおけるロボット開発のための統合開発環境です。開発者はUIPath Studioを使ってロボットを作成します。また、作成したロボットの起動も、UIPath Studioから行うことになります。
Attended Robot
Attended Robotは自動化された処理を行うロボット自身です。UIPathにはAttended RobotとUnattended Robotがありますが、違いは自動で実行可能かどうかです。Attended Robotは人間が起動指示をする必要があるロボットです。対してUnattended Robotは、Orchestratorなどを使って外部から自動的に起動することが可能なロボットです。
Unattended RobotとOrchestratorは、企業などで大規模にロボットを利用するために有効な製品です。
Orchestrator
Orchestratorは、その名の通りRPAにおける指揮者のような役割を担います。Orchestratorを使うことで、ロボの管理を集約し、効率化することが可能です。
<Orchestratorで出来ること>
・ロボットの起動スケジュール管理
・分散処理の管理
・ロボット実行ログの一元管理/分析
・APIによる外部連携
・ロボットのデプロイ/リリース管理
Unattended Robot
Unattended RobotはAttended Robotと同じく処理を実行するロボットです。Attended Robotとの違いは、人間が起動する必要がないという点です。無人で動作するため、Unattended Robotと比較してもさらなる効率化が望めます。Orchestratorからの利用を前提としており、Orchestratorから実行状況をモニターすることが可能です。どちらもライセンス費用が必要であるため、ある程度の規模があるエンタープライズ向けの機能といえます。
第4回はRPA製品としてUIPathの概要を紹介しました。コミュニティエディションは誰でも無料で使うことが出来るRPA製品なので仕事で必要な方以外でも、RPAに興味があって触ってみたいという人におすすめです。
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