SEの仕事では案件のタスク管理が非常に重要であるが、タスクを適切に管理するためにはまず、タスクが適切な粒度で設定されており、WBS(Work Breakdown Structure)に反映されている必要がある。
本記事ではタスク管理の要ともなる、質の高いWBSを作成するためのタスク分割のポイントについて紹介する。おそらく、経験豊富なSEであれば自然と考えて、実践出来ているかと思う。
特に、経験の浅い新人~若手SEの方には、自分の作成したWBSが以下の観点を充足しているかということを確認してみてほしい。
タスク分割のポイント
人に頼むタスクは自分でも状況確認を行う
チームで仕事をする以上、人に仕事をお願いするシーンは多い。外部に仕事を発注したり部下に仕事を振ったりした場合には、振りっぱなしにせずに状況を確認することが重要だ。
こうしたタスクは仕事を振った側が責任をもって行う必要があるのだが、意外と忘れがちなタスクである。少なくとも期限前に中間状況の確認と、期限日にきちんと終わっていることを確認することが必要だ。こうしたタスクも忘れずにスケジュールに追加しておこう。
レビューとレビュー指摘反映のタスクを入れる
成果物の品質を高めるためには、チームメンバーや上長、顧客に成果物をチェックしてもらうことが重要だ。レビューと呼ばれるこのプロセスでは、なんの指摘もなくOKとなれば追加のタスクは発生しないが、基本的には指摘された事柄に対して何らかの対応を行う必要がある。
レビューを行うためには、更に参加者の予定を調整し、アジェンダを作り、レビューでの説明の流れを検討するというように準備が必要であるし、レビューそのものの時間も取る必要がある。さらに、指摘事項を反映し、その結果を再度レビューにかけるということまで想定してWBSを作ることが重要である。ここを甘く見積もるとズルズルと遅れていくことにつながりかねない。
成果物を作るというタスクを設定したら必ず、レビューと指摘対応のタスクもセットで設定しておこう。
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バッファを設定しておく
プロジェクトを進めていく上で重要なポイントや、リスクの大きいポイントではバッファタスクを設定しておこう。
「方針検討」、「予備検討」や、「プロトタイプ作成」などといったタスクが、バッファとして設定する際に便利なタスクである。こうしたバッファのタスクを置くことすらできない状況では、プロジェクトの前提そのものを見直したほうが良いかもしれない。
なぜならば、バッファを設定できていなければ、想定外のタスクが発生しスケジュールが遅延した際に吸収が困難になり、マネジメントが機能しなくなり、スケジュール修正のオーバーヘッドも大きくなるからだ。
まとめ
- 人に頼むタスクは確認ポイントを持つべし
- レビューと指摘反映タスクを考慮せよ
- リスク事項にはバッファを設定せよ
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