SEにとってタスク管理は、日々行う重要な作業であるが、自分が各タスクをどれくらいの時間で終えることができるか、ということを意識してタスクを管理しているだろうか。本稿では、生産性向上のためにタスクを自分が扱いやすいサイズに分割して管理する方法として「20分タスク管理法」を紹介したい。
「20分タスク管理法」を行うことで、自分がタスクをどの位の時間で終えることができるか(=自分の生産性はどれくらいか)を把握することが出来るようになる。
タスク分割とは
タスク管理の粒度は人それぞれであるし、発生するタスクの種類によっても異なる。
例えば、「帰りにスーパーで牛乳を買う」といったように、具体的な内容がすぐイメージできて時間もそれほどかからないタスクもあれば、「○○モジュールを作成」といったように、設計をして、コーディングをして、試験をして、とその中にさらに複数のタスクがありそうなものまで様々だ。
小さなタスクはよいが、大きなタスクについては、そのままだと扱いづらいため、自分が扱いやすい粒度に分割していくことが重要だ。これが、タスク分割である。
タスク分割を適切に行うことは生産性を大きく向上させる。ここでは、タスクを効果的に分割するための方法として「20分タスク管理法」を紹介したい。
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20分タスク管理法の手順
1.タスクを20分単位に分割する
図. 一つ一つのタスクが20分以内で完結するように分割していく
タスクを自分が20分で実行できる程度の粒度まで分割する。「○○モジュール作成」というタスクであれば、「設計書の構成を検討する」「設計書の○ページを作成する」「ソースコードを○%コーディングする」など、自分が20分で完了できると思われる粒度まで落とし込む。
2.分割したタスクを30分単位でスケジュールする
図. バッファと準備時間をとることが重要
分割したタスクを一日の初めに30分単位で実行する順番などをスケジュール化しよう。20分という小さな単位まで分割するため、何日も先のスケジュールに対してこれを行うことは非効率的だ。
あくまで当日の朝に、その日に何をやるか、ということを整理しよう。
30分単位とする理由は、20分単位で全てのタスクをスケジュールに入れてしまうと、余裕が無くなり途中休憩でリフレッシュする時間が取れないためである。そのため、タスク実行の前後5分はタスクの準備とリフレッシュのためにあてるとよい。
3.スケジュールに沿ってタスクを実行する
タスクが20分で終わらなかったら、時間は延長せずに、必ず次のタスクに移る。後ろ髪を惹かれる思いがあるだろうがぐっと我慢することがポイントだ。そうすることによって、前のタスクが延び延びになったせいで予定していたタスクだが未着手だった、という事態を防ぐことができるし、後でどのタスクが時間通りできて、どれがそうではないのかという判断ができる。
4.振り返りを行う
最後に、一日のスケジュールを終えたら、簡単でよいので振り返りを行う。どのタスクが20分で完了できなかったのか、その理由は何なのか、を考えよう。途中で邪魔が入って終わらなかったのか、さらに細かくタスクを分割する必要があったのか、といった理由を分析することが必要だ。
タスクを処理する際に、どれだけ具体的な作業まで落とし込むことができるかということは生産性向上のために重要だ。もし、いきなり20分単位のタスクまで分割することが難しいようであれば最初は45分単位のタスクに分割し、前の10分を準備、後ろの5分を休憩として60分単位でスケジュールを作成すると良いだろう。45分単位で慣れてきてから20分単位に分割していけばよい。
まとめ
- タスクは自分が具体的な手順をイメージできるまで分割する
- 分割したタスクを実行し、振り返りを行う
- 時間が足りなかったら、延長せずに次のタスクに進む
- 20分タスク管理法を行うことで自分の生産性を把握し改善できる
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