本稿ではマクレガーのモチベーション理論について、2分で読めるボリュームに要約して紹介する。
1.XY理論とは?
XY理論とはアメリカの心理学者であるダグラス・マグレガーが提唱した人間のモチベーションに関する理論である。
マクレガーは経営層が従業員のモチベーションを管理するためにXY理論に基づいた管理を行うことが良いと主張した。XY理論は前提として、アブラハム・マズローの欲求5段階説をもとにしている。
2.X理論 ~性悪説による管理~
「人間は元々なまけものなので基本的な本能のためにしか動かない」
という性悪説に基づいた考え方である。
基本的な本能とは、生存・安全・金銭の獲得などである。
X理論ではこれらが満たされることで、労働者はそれ以上働かなくなると考える。
3.Y理論(性善説による管理)
「人間は元々働き者なので、目標を与えれば自己実現のために進んで努力して成果を出す」
という性善説に基づいた考え方である。
従業員やチームメンバーの主体性を刺激し、尊重することでモチベーションを高めることができるという考え方だ。
4.Y理論の問題点
Y理論に対しては「社会環境が劣悪な状況では、発揮できない」という指摘があり、マクレガーもそれを認めていた。つまり、「明日食う飯にも困る状況で、自己実現をモチベーションとして働くことは出来ない」と言うことである。
その後、マクレガーは指摘を取り込んだZ理論の検討に着手したが、ついに日の目を見ることはなかった。
5.この学びを私たちがどう利用できるか
部下へ仕事をアサインする場合や、他者との協業を行う場合にはXとYの両方の側面で相手をモチベートできているか考える必要がある。
つまるところ、
- 相手にとっての実利 (金銭、名声、地位など)
- 相手のビジョンとの整合性
を意識してタスクを与えることで最大の成果が期待できるということだ。
また、Y理論に対する指摘を鑑みると、職場環境の維持向上にも努める必要がある。具体的には、労務時間であったり、職場での人間関係の状態といった点にも注意が必要だ。
4.まとめ
モチベーション理論を知ることは、多くのステークホルダーの間で調整を行うSEにとって非常に重要だ。
知識としてのXY理論を持った上で、実践を通じて自身のマネジメント能力を向上させていこう。
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