論理的で説得力のある主張をするための3つのステップ

 

論理的思考力はSEに必要不可欠な力

SEとして仕事をする以上、論理的な思考力は必要不可欠である。なぜならば、我々が相対するシステムは、動物のように気分や感情により行動が左右されることはなく、必ず何らかの因果関係を持って動くものだからである。そのため、正しく問題を特定し、原因と結果を結びつける力である論理的思考力は、SEとして価値を発揮するために重要だ。

 

誤解のないように補足するが、動物に接する職業に論理的思考が不要ということではない。むしろ、論理的思考力はどんなビジネスにおいても有用な能力である。なぜならば、主張が論理的であることは、説得力のある提案するためには不可欠だからだ。

 

本稿では、論理的で説得力の主張を行うための3つのステップを紹介したい。

 

論理的思考を行うための3つのステップ

 

ステップ1.問題を正しく設定する

論理的な提案をするために最も重要なステップは、問題を正しく設定することである。最初の問題設定を誤ってしまうと、たとえその後にいくら有力な根拠を集めて論理的に主張できたとしても有効な成果にはつながらない。なぜならば、問題そのものが「実はどうでもよい」問題だからだ。

 

論理的思考の最初のステップとして重要なポイントは、設定した問題が正しいか、その問題は本当にいま自分が取り組むべき問題なのか、ということをきちんと考えることなのである。

 

ステップ2.論理を構造化する

問題を正しく設定できたら、次はその問題に対してどう対応すべきかを考えよう。このとき、最終的に導き出された主張とそれを裏付ける根拠は構造化で示すとよい。構造化された主張とは、結論を裏付ける根拠が論理的かつ段階的に示されている状態である。

 

 

主張とそれを支える根拠を構造化した例

 

主張とそれを支える根拠が論理的かつ段階的に示されていて、それを他者が理解できるときはじめて、説得力のある主張となるのである。

 

 

ステップ3.論理を補強する

主張をうまく構造化することが出来たら、論理を補強していこう。具体的には、根拠の元になっている事実や、根拠と主張のつながりを「本当にそうか?」と確認していく作業となる。これを繰り返すことにより根拠と主張が適切に結びつき、説得力を高めることができる。

 

 

反対に、このプロセスを疎かにしていると、誤った事実を根拠に、誤った主張をしてしまうことにつながる。主張を構造化したら、必ずその根拠が妥当であることと、繋がりが論理的であることを確認しよう。

 

[根拠の妥当性を確認する例]

 

 

「サービスX市場に参入すべき」 ←主張

 

なぜなら

 

「サービスX市場は近年急成長している」 ←根拠

 

なぜなら

 

(最下層にある根拠)
 「サービスX市場の利用者数が増加している」
 「サービスX市場の客単価が増加している」

 

このような主張と根拠があったとき、この、最下層にある根拠が正しいことを、事実をもって裏づけすることが重要だ。

 

 

 

事実を調査することにより、具体的な数字をもとに
「サービスX市場の客単価が増加している」
ことを裏付けることができた。

 

このように、他の根拠についても裏づけを取っていくことで主張の説得力を高めることが可能である。

まとめ

本稿の内容は、ベテランSEにとっては暗黙的に実践できている内容かもしれないが、意識的に繰り返すことにより、主張と根拠のつながりや、どんな根拠を持ってくれば主張の説得力が増すのかということがわかってくるはずだ。

 

論理的で説得力のある主張を行い、SEとしての価値を高めていこう。

 

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