生産性を向上しワンランク上のSEになる方法

 

生産性の向上はSEにとって重要なテーマである。労務が過酷な印象があるSEという仕事だが、生産性を向上することで心と時間に余裕が生まれ、生活の充実につながる。

 

本稿では、生産性の定義と、生産性を向上するための方法について考えてみたい。

 

生産性の定義

生産性の向上を考える前に、まずは本稿における「生産性」の定義を確認しておきたい。「生産性」とは、何らかのアウトプットを行う(生産する)能力の大きさである。

 

具体的にはInput⇒Process⇒Outputという流れの中の、Processの部分の効率性と定義しよう。

 

図. 生産性の定義

 

つまり、上図におけるProcessの性能が高い状態というのが、生産性が高い状態といえる。

 

この定義に基づき、生産性を高める方法として、

  • Process(作業)の量を多くする
  • Process(作業)の質を良くする

方法について考えてみたい。

 

SEが生産性を高める方法

Processの量を増やす

単位時間当たりのProcessの量を増やすことで、沢山のInputを処理することが可能となり、結果的にOutputの量が多くなる。つまり、生産性が高くなるといえる。

 

・スピードを高める

作業量を増やすために最も単純な方法はスピードを高めることである。タスク一つ一つの処理時間を短縮することで作業できる量を増やすことが可能だ。そのためには一つ一つのタスクに習熟することは勿論だが、PC操作やドキュメントの書き方など汎用的に使えるスキルのスピードアップを行うことが効果的だ。

 

SE Tips

オフィスソフトはビジネスの現場では良く利用されているが、中でもSEの仕事で多用されるのは表計算ソフトである。課題管理、スケジュール管理などの管理資料から、設計書やパラメータシートなどのシステムドキュメントなど幅広い用途で利用することになるツールであり、良く利用するショートカットを覚えておくことで作業を劇的に早くすることができる。

 

参考:新人SEのExcel術

超基本&選択系ショートカット編

データ入力&書式設定系ショートカット編

ブック/シート操作ショートカット編

VLOOKUP関数の活用編

 

 

 

図. スピードを高めてProcessの量を増やしOutput量を増やす

 

・作業の取捨選択を行う

無駄な作業を切り捨てたり、省いたりすることで、省エネルギーでProcessを行うことができるようになり、結果的にOutputの量を増やすことが可能だ。0から80%の品質の成果を出すときにかかる仕事量と、80%⇒100%にするときにかかる仕事量は同程度かかるといわれている。80%の出来で十分なタスクは80%までで留めることによってより多くの作業を行うことができる。

 

図. 無駄を省くことで処理できるInputの量を増やす

 

・人手を増やす
どんな人間でも、一日で与えられた時間は等しく24時間である。つまり、どんなに睡眠時間を削って働いたとしても出せる成果は限られている。それを打破する方法の一つが人手を増やすことだ。自分が3人に指示をすれば1人で3人分の成果を出すことも可能であるし、自分が苦手なタスクであれば自分より得意な人に依頼することでより多くの成果を出すことができる。Processの並列度を上げることでより多くのOutputを出す方法といえる。

 

図. Processの並列度を上げてOutputを増やす

 

Processの質を良くする

生産性を上げるもう一つの方法は、Processの質を高めることにより、質の高いOutputを出すことである。これも、同じ時間を投下して質の高いOutputを得ることができるという面で、生産性が高いといえる。

 

図. Processの質を良くすることでOutputの質を高める

 

・訓練して身に付ける

どんなタスクでもそうだが、同じタスクを繰り返し行うことで、高い品質の作業を行うことができるようになる。長年の訓練によって職人の指先が精巧な動きができるようになるように、訓練によって品質の高い作業が可能になる。

 

 

・知識を増やし思考の幅を広げる

自分の引き出しが増えることで、同じ仕事を行ってもより柔軟に様々な視点から物事を考えることが出来るようになるため、作業の品質が高まる。例えば、SEとして基本的なコンピュータサイエンスや設計のベストプラクティス集などの知識を増やしていくことで同じ仕事をする場合でも品質の高い仕事をすることが出来るようになるだろう。

 

勿論、一般的なビジネス書を読みコミュニケーションやリーダーシップ、マーケティングやマネジメントの知識を身に付けることも、仕事の質を高める上で重要だ。

 

 

・取り組むべき仕事を選ぶ

視点を変えて、いま自分の元にある仕事は本当に、全て自分がいま取り組むべき課題なのかということを考えてみよう。Processの量を増やすことに無駄な作業を取り払うことと似ているが、これは、もっと根本的な部分で「この仕事はそもそも取り組むべき仕事なのか?」ということを自問自答し本質的な仕事にのみ取り組むという方法である。

 

また、ある課題が存在するとき、すぐに取り組むのではなく少し視点を変えて考えてみると、全く違うアプローチ方法が見えてきたりする。こうして課題の本質を捉える訓練を行うことで取り組む仕事の質が上がってゆく。結果として、そこから生まれるアウトプットも高いものになるのである。

 

まとめ

SEの仕事に限らず、生産性の向上は重要なテーマである。生産性を高めることで、自由な時間を作り出し、更なる自己研鑽や、プライベートの充実に時間を使うことで人生を豊かにすることができるだろう。

 

本稿が仕事の生産性を向上させる参考になれば幸いである。

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